日本人は勉強時間が足りないとよく言われます。読書を通して自分の凝り固まった価値観をほぐし、しなやかな精神であり続ける努力をしていきましょう!
星(☆)の数はおすすめ度。1から5段階の評価。
きらめく拍手の音 イギル・ボラ著/矢澤浩子訳 ☆☆☆☆
視覚障害者の両親をもつ韓国人女性の話。本書を通して、コーダ(Children Of Deaf Adults)という言葉を知る。コーダであるボラさんの人生を通して、コーダとして生きることがどういうことなのか、私の知らない世界が繰り広げられていた。世間の人たちが「障害」とか「欠陥」と呼ぶものが、果たして本当にそうなのか。ボラさんのこれまでの人生を見ると、そうではないことがはっきりとわかる。アメリカにあるギャローデット大学はろう者の楽園と呼ばれる大学があることも知らなかった。自分の勝手に想像する大学とはまるで異なり、自分の無知を知る。障害に対して自分が無意識にもつ偏見や価値観をぶち壊したい人におすすめ。
子どもが心配 養老孟司 著 ☆☆
子どもを取り巻く環境や、それに対する考えについての対談が書籍になったもの。対談が載っているだけのため、深い内容ではないように感じる。養老さんの考えをもっと深堀してほしかった。
30日31泊「夏のガキ大将の森キャンプ」は非常に興味深い。自然体験が激減し、子供時代の大半をYouTubeとスマホゲームで過ごす子供にはぴったり。自分にも子供ができたら参加させてみたい。
現代の子どもを取り巻く環境や子ども自身が抱える課題について知りたい人におすすめ。教育関係者等、すでに普段から子どもと関わる職業の人には物足りないかも。
空白の5マイル 角幡唯介 著 ☆☆☆
凝り固まった世間の価値観、常識、規則からの逸脱。旅の中でリスクをとり、生きている意味を感じていく。そんな世界に読者を引き込む。
職場で感じる価値観や、普段の生活を窮屈に感じている人におすすめ。
1歩踏み出す勇気をくれる1冊。
ルポ「命の選別」誰が弱者を切り捨てるのか? 千葉紀和 上東麻子 著 ☆☆☆☆☆
無意識にも自分の中に優勢思想があることがわかり、ショックもあったが、そういう思想が自分の中にも存在することを知れたことは大きい。出生前診断は、行うことが一般的なことと思っていたけど、それを行う理由を深く考えていくと優勢思想につながりかねないと感じた。わが子の健康を願うことと、優勢思想は全く違うが、自分の中でその2つの思いが混じらないようにしたい。優勢思想はだれの心の中にも存在しているのかもしれない。著者の筆力が圧巻で、読み手の心に突き刺さる名著。
知らず知らずのうちに自己に芽生えている優勢思想を自覚することで、〝命”に対する価値観を見直したい人におすすめ。いや、全日本人に勧めたい!!
目の見えない白鳥さんとアートを見にいく 川内有緒 著 ☆☆☆☆☆
「障害者は、不便だし、生活するのも大変そう」「目が見えないなんて不幸」という固定観念をぶち壊したい人におすすめ
障害者に対する固定観念や、無意識のうちにもつ差別意識に気付かせてくれる。
盲目の白鳥さんたちと実際にアートを見に入っているかのような感覚で読み進めることができ、新鮮な感覚だった。登場人物の言葉がとにかく心に刺さる。
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